2018-02-15
声帯切除手術を受けさせることは、動物虐待であると考える人が多いのではないかと想像します。
当院でも、ただうるさいからというだけで声帯切除手術を受けたいと希望する方がいたとしてもお受け致しません。
しかし、実際にはただうるさいからというだけで相談をされる方はいません。
声帯切除手術の相談をされる方には、必ず細かく事情を聞きます。
なぜ困っているのか、どのような方法で無駄吠えを抑えるようしつけ等を行ってきたかなどです。
ほとんどの方が複数の方法を試し、無駄吠えをなくす努力をされております。
ドッグトレーナーにお願いをしてもう大丈夫と太鼓判を押されても、普段の生活をはじめるとすぐ元に戻ってしまい、仕方なしに別の方法として無駄吠え防止の首輪を使って制止するなども行っているようです。
これらの事情をお聞きしていると、多くの方が泣きながら苦情や脅迫などを受け切羽詰まっている状況や、引っ越しを複数回行っていること、事情を伝え里親にお願いしたけれど激しい無駄吠えに音をあげて返されたことなどなどを教えてくださいます。
それぞれの事情を聞くと、他人が事情も知らず動物虐待などと批判すべきではないとつくづく思ってしまいます。
当院では毎年何頭かの手術依頼を受けます。
狭山市や隣接する入間市、所沢市、川越市からの依頼はそれぞれ数年に1度あるかないかです。
ほとんどの場合都内をはじめ宮城、愛知、静岡、茨城、群馬などの遠方から依頼があり、それほどに切羽詰まった事態に陥っているという現実があるのです。