2018-03-31
フィラリア予防はいつからいつまで?
当院ではフィラリア症の予防を5月末に開始し11月末までとしています。
その根拠は毎年発表されているフィラリア症の感染開始日と感染終了日から考えての期間となります。
2017年、埼玉は10月26日が感染終了日
2017年日本各地のフィラリアの感染開始日と感染終了日がHDUを用いた計算により割り出し、予防薬を販売している会社より公表されました。
HDUとは各地の日平均気温からフィラリアの感染可能日を割り出す世界標準の計算式です。
沖縄を除く日本各地で最も早く感染が開始し、遅く感染が終了するのは皆様も想像がつくと思いますが、鹿児島でした。
またその逆は札幌でした。
感染開始日 | 感染終了日 | |
札幌 | 6月29日 | 10月2日 |
鹿児島 | 4月30日 | 11月19日 |
関東各地の感染期間
感染開始日 | 感染終了日 | |
水戸 | 5月24日 | 10月22日 |
宇都宮 | 5月22日 | 10月25日 |
前橋 | 5月20日 | 10月26日 |
熊谷 | 5月15日 | 10月26日 |
東京 | 5月14日 | 10月27日 |
千葉 | 5月14日 | 10月29日 |
横浜 | 5月12日 | 10月29日 |
意外に早く感染が終了すると感じる方も多いと思いますが、実際に東京都で起こった出来事でも蚊の活動終了時期がわかります。
その出来事というのは2014年のデング熱ウイルスの感染騒ぎです。
代々木公園の蚊によるデング熱感染の拡大で、2014年9月4日に代々木公園が閉鎖されました。
気温の低下により蚊の活動が終了し、人への感染の可能性がなくなったと東京都が判断し閉鎖解除された日が10月31日でした。
フィラリア予防期間
フィラリアの最良の予防方法は、蚊に刺されないことですが、外への散歩などもあり通常の生活では不可能です。
確実性を求めるなら予防薬に頼ることになります。
その予防薬は成虫寄生を予防するという意味であって、蚊によって感染するフィラリアの幼虫に対しては駆除薬という意味合いの薬剤になります。
予防薬は飲んだその日だけフィラリア幼虫の殺滅効果があり、翌日にはその効果は消えています。
しかし、日々感染したフィラリア幼虫は犬の体内で時間をかけて成長しますが、予防薬が効かなくなる程に成長するのは1〜2ヶ月かかる事が判明しています。
つまり感染した幼虫を1ヶ月分ためて予防薬で退治することで事足りるのです。
関東の感染開始から感染終了の時期と予防薬の性質の双方を考慮した予防期間が5月末から11月末となります。