2024-03-14
今年も春がやってきますね。
動物病院で春といえば犬糸状虫(フィラリア)の季節です!
蚊が媒介する危険な寄生虫「フィラリア」
大切なご家族をフィラリアから守るため、お薬は正しく使ってあげましょう。
フィラリア予防は4-5月開始です。
ワンちゃんのフィラリア予防
予防薬投与前には必ず血液検査を受けてください!
当院でも毎年フィラリア感染が見つかっています。
もし、フィラリア感染があった場合、気が付かずに予防薬を投与すると重篤な副作用がおきてしまいます。
うちの子だけは大丈夫と思わずに、必ず血液検査で感染の有無を調べましょう。
飲み忘れなどがあると検査項目が変わりますので、ご自宅に余ったお薬などないか確認をお願いします。
猫ちゃんのフィラリア予防
フィラリア予防は犬だけのものではありません!猫ちゃんにもしっかり予防を!
”犬”糸状虫(フィラリア)は犬だけでなく、猫にも感染します。
健康な猫ちゃんで抗体検査(現在〜過去にフィラリア感染があったかどうかが分かります)を実施した研究によると、約10%の猫ちゃんがフィラリア抗体陽性、つまり今までにフィラリア感染の経験があるという結果でした。
実際にはフィラリアにとって猫ちゃんの体内は適した環境ではないので、感染したフィラリアの多くは成虫になれずに免疫によって排除されます。
しかし、猫でも一定の割合でフィラリア感染が成立する可能性があり、咳や嘔吐・突然死の原因になります。
猫では犬より感染確率が低い一方、感染した場合の重症化率は犬より高いので注意が必要です。
また、猫の場合、以下の理由により予防薬投与前の血液検査は通常必要ありません。
単数寄生が多く、血液検査では検出できないことが多い
単数寄生では予防薬を投与しても副作用が起きる可能性が低い
フィラリアは通年予防がおすすめ!
以前までフィラリア予防はハイリスクシーズン(5月末〜11月末)のみ行うのが一般的でした。
しかし、近年は地球温暖化による気温上昇、家庭内や下水道内での越冬により蚊の発生時期が拡大しています。
それを受け、米国犬糸状虫学会(AHS)より ※通年予防 が提唱され、当院でもおすすめしています。
※通年予防:1年間予防薬を休みなく毎月投与する予防法。
フィラリア通年予防の場合、以下のメリットがあります。
フィラリアをほぼ間違いなく予防できる
飲み忘れを防げる
混雑シーズンに来院しなくて良い
飲み忘れがない限り、原則的に血液検査が必要ない
一方、デメリットは当然費用が高くなることです。
ただし、予防薬が体の負担になることなどはありません。
詳しくは当院スタッフまでお気軽にお尋ねください!
予防薬はノミダニ予防とオールインワンがおすすめ!
ノミやダニは通年で発生し、当院でも実によくみる寄生虫です。
フィラリア予防薬にはノミとダニの予防が同時に可能なオールインワンタイプがあり、価格もお得なのでおすすめです。
ワンちゃんには美味しいチュアブルタイプ
猫ちゃんには背中に垂らすスポットオンタイプ
がおすすめです!
フィラリアシーズンの動物病院は特に5月後半にかけてとても混雑します。
ご苦労をおかけしてしまい申し訳ありませんが、早め早めの受診をお願いいたします。