2017-07-12
当院では膝蓋骨脱臼及び前十字靭帯断裂の手術は実施可能で、毎月数例の犬に実施しています。
最近膝の手術が非常に多いのではないかと獣医師の間で話題になったため確認してみたところ、直近5週間(2017年6月と7月の第1週)で11頭の犬に手術を実施していたことが確認されました。
内訳は膝蓋骨脱臼と前十字靭帯断裂のいずれかもしくは両方に対する外科処置です。
そこで今回は犬の膝蓋骨脱臼についてここで簡単に説明させていただきます。
膝蓋骨には様々なトラブルが起こります。
骨折も起こりうるのですが非常に稀で、その多くが脱臼及び亜脱臼です。
膝蓋骨の亜脱臼は、膝蓋骨と大腿骨の関節面の一部がまだ接している状況を言います。
言い換えれば膝蓋骨の遊びが多く緩いのですが、落ちきらない状態を言います。
この亜脱臼の段階も脱臼と判断されてしまう例もあり、注意が必要です。
膝蓋骨の脱臼は、関節面が全く接することがないところまで移動してしまう状況を言い、4段階にグレード分けされています。
グレード1
普段は正常の位置に存在し、通常の運動では脱臼せず何ら症状が出ない。人為的に脱臼させることは可能。
グレード2
運動時に脱臼することがありスキップをするなどの症状が出るが基本的には正常な位置に存在。
グレード3
膝蓋骨は脱臼した位置に常時存在。
人為的に正常な位置に戻すことは可能であるがすぐに脱臼の位置に戻る。
グレード4
膝蓋骨は脱臼した位置に常時存在。
人為的に正常な位置に戻すことは不可能。