声帯切除・抜爪手術

声帯切除・抜爪手術

これらの手術は、動物愛護の面から否定されたり非難されたりする可能性のあるものです。 過去に、当院でも依頼を断っていた時期がありました。
しかし、ある出来事をきっかけとしてお受けするようにいたしました。

その出来事とは・・

中型の雑種犬で性格も問題ない子の声帯切除の依頼を受けましたが、そのキャラクターから考え、手術に踏み切る前にしつけにより改善を図るべきであると指導させていただきました。
とてもよい子ではあるものの、知らない人が通ると吠え続けているようでした。
そんな状況でも何年もの間特に苦情もなく過ごす事が出来ていたようでした。

ところが、近所の子供が受験生となり時々苦情を言われ、そのうち苦情は無くなったものの、嫌がらせを受けるようになり(誰かは不明ではあるが)困っているとの事でした。

その後連絡がなく数ヶ月が過ぎ偶然出会う事があり、その子のことを尋ねたらしつけをすることなく保健所に出しましたという返事が返ってきて愕然としました。
相談をされた際の話から困っていることは聞いていましたが、その方の精神的負担の大きさを感じ取ることが出来ず悔やまれました。
同様なことは猫の爪とぎの問題でも起こることで、実際に一事例を経験しています。

声帯切除後の音としてはワンワンではなくハウハウと空気の流れる音となります。
成功率は喉頭切開アプローチ法よりはわずかに劣るかもしれません。
また、術後しばらくしてから再び声が出ることがあります。
声帯の切除縁からの組織の増生が見られ声が出るようになり、ややしわがれてはいるが吠え声が出せるようになる事があります。

犬の声帯切除手術

声帯切除の手術は、吠え声を小さくする為の手術ですが、その他に声帯にできた腫瘤の除去や声門の拡張の為に実施される事もあります。
その手術方法には2通りあり、ひとつは口腔アプローチ法、もうひとつは喉頭切開アプローチ法です。
前者はどこも切ることなく声帯のみを切除する方法、後者は喉仏に当たる部位を切開し声帯を切除します。
当院では前者、つまり麻酔下で口を大きくあけた状態で直接声帯を切り取る手術方法にて実施しています。
術後痛がる様子は見られず、声が出なくなったことを気にもとめず吠えています。

猫の抜爪手術

抜爪手術には、メスを使って切除する方法、ギロチン型爪切りを使う方法が成書に紹介されていますが、当院では半導体レーザーによる爪切除をおこなっています。
術中の出血はもちろん、術後に手をプルプルと振る事によって引き起こされる出血(飛び散らせます)をほとんどなくすことが出来ます。