整形外科の治療報告
- 2025.4.14跛行を呈する疾患(膝蓋骨脱臼・前十字靭帯断裂)
動物の整形外科疾患について

整形外科は、骨折や脱臼、靱帯・腱の損傷、関節疾患、先天性の骨格異常など、運動器に関わる病気を扱う分野です。痛みや跛行(びっこ)、運動を嫌がる様子は生活の質を大きく下げてしまうため、適切な診断と治療計画の立案が重要です。
同じ疾患名でも体格・年齢・活動量・合併症により最適解は異なります。当院では身体検査・レントゲン・超音波・必要に応じてCT等の画像検査を組み合わせ、個々の動物に最も妥当な治療方針を検討します。
当院が行う整形外科診療
当院では、保存療法(安静・内服・理学リハビリ)から外科療法まで一貫して対応します。
手術が必要な場合は、術前評価・疼痛管理・術後リハビリを含めた包括的ケアを重視し、合併症の予防と回復期間の短縮を目指します。高難度症例や特殊機器を要する治療は、提携施設と連携して最適な治療環境を整えます。
骨折整復(プレート・スクリュー/ピン・ワイヤー/創外固定)
受傷時期や骨折型(横・斜・粉砕・成長板など)に応じて固定法を選択します。術後は鎮痛と患肢の保護、段階的な運動負荷を指導し、機能回復を図ります。
前十字靱帯疾患(犬の膝関節)
跛行や立ち上がりにくさ、階段を嫌がる等の症状がみられます。保存療法と外科療法を検討し、体格・活動性・膝の不安定性に応じて最適な方法を提案します。
膝蓋骨脱臼(小型犬に多い膝の疾患)
片脚を時々挙上する、スキップするような歩様が特徴です。グレードや年齢、骨配列の異常を評価し、保存療法から外科的整復まで対応します。
股関節・肘関節などの関節疾患
変形性関節症、股関節形成不全、肘異形成などに対して、体重管理・鎮痛・関節サプリメント・リハビリを組み合わせ、症状緩和と機能維持を目指します。外科介入が適切な場合は、提携施設と連携の上で実施します。
リハビリテーション・疼痛管理
手術の有無にかかわらず、急性期~回復期~維持期まで段階的にプログラムを設計します。ご家庭でのケア(運動量・床環境・体重管理)も具体的にお伝えします。
担当獣医師のご紹介
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           白石 陽造- 獣医師
- 白石・中央動物病院 統括院長
- 公益財団法人 日本小動物医療センター
 代表理事
- 公益財団法人 日本小動物医療センター
 夜間救急診療科 センター長
 
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           山田 祥平- 獣医師
- 白石動物病院(院長)
- 獣医腫瘍科Ⅱ種認定医
 
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           上條 圭司- 獣医師
- ゼファー動物病院(院長)
 
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           田中 真司- 獣医師
- 所沢アニマルメディカルセンター(副院長)
 
連携・紹介体制
高度な機器・専門性を要する症例は、外部の専門機関・大学病院と連携して治療選択肢を拡げています。セカンドオピニオンのご希望もお気軽にご相談ください。
ご相談が多い症状
- 跛行(びっこ):片脚をかばう、時々挙上する
- 立ち上がりにくい:動き始めに痛がる、時間がかかる
- 階段やジャンプを嫌がる:ソファや車へ乗れない
- 関節の腫れや熱感:触ると痛がる、違和感がある
- 歩き方の異常:スキップ歩様、ふらつき
- 運動を避ける:散歩を嫌がる、すぐ座り込む
- 触れると鳴く:特定部位の圧痛
- 外傷後の違和感:転倒・交通事故後の異常
一つでも当てはまる場合は、早めの整形外科受診をご検討ください。
過去の手術事例
骨折整復(橈尺骨・大腿骨・脛骨など)
骨折型に応じた内固定/外固定で機能回復を目指します。小型犬に多い前腕骨骨折などは、術式選択が予後に影響します。
前十字靱帯疾患
体格・膝の不安定性に応じた術式を検討します。術後は段階的リハビリを組み、再断裂予防と筋力回復を目指します。
膝蓋骨脱臼整復
溝の形成や軟部組織バランス調整を組み合わせ、再脱臼を抑えつつ機能温存を図ります。

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